地下アイドルやライブハウスで撮影していると、暗さによる被写体ブレに悩まされることが多いですよね。
「推しが動いた瞬間にブレてしまった」「ダンス中の表情が残せない」──これはシャッタースピード設定の理解不足が原因かもしれません。
この記事では、暗所ライブにおけるシャッタースピードの最適化方法を、初心者向けにわかりやすく解説します。

シャッタースピードの基本知識
- シャッタースピード=露光時間(シャッターが開いている時間)
- 遅いほど光を多く取り込める → 明るいがブレやすい
- 速いほど動きを止められる → 暗くなるがシャープに写る
暗所ライブでは「ブレ防止」と「明るさ確保」のバランスが重要です。
暗所ライブでの推奨シャッタースピード
- 静止気味の場面(MC・バラード):1/100〜1/160秒
- ゆったりしたダンスシーン:1/200〜1/320秒
- 激しいダンスやジャンプ:1/400〜1/640秒
目安は1/250秒以上。ブレを抑える最低ラインとして覚えておきましょう。
シャッタースピードを確保するための工夫
① ISO感度を上げる
ISOを上げればシャッタースピードを稼げます。ただしノイズが増えるため、ISO6400までを目安に調整。
② 開放F値の明るいレンズを使う
F1.4やF1.8の単焦点レンズなら、暗所でも速いシャッタースピードを確保可能。
③ 連写を活用する
数枚撮ればブレていないカットを拾える確率が上がります。
④ 手ブレ補正を活かす
カメラやレンズの手ブレ補正(IBIS/VR/IS)を活用。ただし被写体ブレには効かない点に注意。
シャッタースピードと他設定の関係
- シャッタースピードを速く → 露出不足になりやすい → ISOや絞りで補正
- シャッタースピードを遅く → 明るくなるが動きがブレる → 表現意図で使う
例:1/60秒であえて残像を写すと「動きのある演出」にもできます。
暗所ライブでの実践設定例
- 小箱ライブ:1/250秒、F1.8、ISO4000(単焦点レンズ)
- 中規模ホール:1/320秒、F2.8、ISO5000(ズームレンズ)
- 大箱ホール:1/400秒、F2.8、ISO6400(望遠ズーム)
初心者がやりがちな失敗と対策
- シャッタースピードが遅すぎ → 1/60秒以下ではブレやすい
- ISOを上げすぎ → ノイズが強くなり編集で修復困難
- 被写体ブレと手ブレを混同 → 「手ブレ補正」だけでは止まらない
編集でできるブレ補正は限界がある
LightroomやPhotoshopで「シャープネス」補正は可能ですが、
ブレた写真を完全に直すことはできません。
撮影時にブレを防ぐ設定をすることが最優先です。
まとめ:暗所ライブはシャッタースピードで決まる
暗所ライブ撮影では、シャッタースピードを理解して使いこなすことがブレ防止の鍵です。
被写体の動きに合わせて最低1/250秒を確保し、ISO・絞りとバランスを取ることで、動きのある瞬間も鮮明に残せます。
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