地下アイドルやライブ撮影では、照明や暗所の影響で肌の色味や質感が不自然に写ることがよくあります。
特に赤照明や強いライトが当たると、肌が赤黒く見えたり、汗でテカリが目立ったりすることもあります。
そこで重要なのが肌補正のレタッチテクニックです。
不自然に加工するのではなく、自然に盛りながら推しや出演者の魅力を引き出すレタッチ方法を解説します。
なぜライブ撮影で肌補正が必要なのか?
- ステージ照明による色かぶり:赤・青・緑のライトで肌色が崩れる
- 高ISO撮影によるノイズ:暗所ではザラつきが目立ちやすい
- 汗や皮脂のテカリ:ライブならではの表情の輝きが逆に不自然に見える
こうした課題を補正することで、被写体本来の魅力を損なわずに写真を仕上げられます。
肌補正の基本ワークフロー
ステップ1:ホワイトバランス補正
赤照明や青照明で色かぶりした肌は、まずホワイトバランスを整えることから始めます。
Lightroomでは「スポイトツール」でグレー部分を基準にすると自然な色味に近づきます。
ステップ2:ノイズ軽減
ISO感度を高めたライブ撮影はノイズが多いため、まずはノイズ除去を行います。
ただし過度にかけると肌がプラスチックのようになるので注意。
「輝度ノイズ軽減」を30〜50程度に抑えるのが自然です。
ステップ3:テカリ補正(明暗調整)
汗やライトで光る額や頬は、補正ブラシでシャドウを少し上げ、ハイライトを下げて落ち着かせます。
完全に消すのではなく「自然なツヤ感」を残すのがポイント。
ステップ4:肌の滑らかさ調整
LightroomやPhotoshopには「肌補正用プリセット」や「テクスチャ」調整があります。
テクスチャを−10〜−20に抑えると、毛穴や小さな凹凸が自然に和らぎます。
ステップ5:色調補正で自然な血色を再現
照明で失われた自然な肌色は、HSL(色相・彩度・輝度)で補正します。
「オレンジ系の彩度を少し上げ、輝度を+方向へ調整」するだけで血色感が戻ります。
実際のレタッチ例
- 小箱ライブ(赤照明強め):ホワイトバランスを「昼光」に固定し、オレンジの彩度を+10、赤の彩度を−10で自然に補正
- 大箱ホール(逆光シーン):シャドウ+40、ハイライト−50で表情を浮かび上がらせる
- 野外フェス(日差しと汗):ハイライトを下げ、テクスチャ−15で自然に滑らかに
初心者でも失敗しないコツ
- 過剰補正はNG:滑らかすぎる肌は「加工感」が出てしまう
- 全体ではなく部分補正を活用:額や頬など気になる箇所だけに限定
- プリセットやAI補正をベースに:Lightroomの「肌補正AIマスク」を使えば作業効率UP
おすすめレタッチツール
- Adobe Lightroom Classic:ワークフロー全般に対応
- Adobe Photoshop:部分補正や高度な肌補正に最適
- PortraitPro:人物補正に特化したソフト
肌補正に役立つショートカット・プリセット
- LightroomのAIマスク:「人物>肌」選択でワンクリック補正
- カスタムプリセット:「ライブ赤照明用」「野外フェス用」などを作成すると効率的
- Photoshopのヒーリングブラシ:ニキビや一時的な肌荒れに最適
まとめ:自然に盛るのがライブレタッチの鉄則
ライブ撮影のレタッチでは「不自然な美肌加工」ではなく「本来の魅力を引き出す補正」が大切です。
ホワイトバランス・ノイズ除去・テカリ調整・肌の滑らかさをバランスよく整えれば、初心者でも自然に盛った写真を仕上げられます。
撮影の熱気をそのまま残しつつ、肌を自然に整えることで、推しの魅力をよりリアルに伝えられるはずです。
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